JalanSriwijaya・G.H.BASS・Paraboot シグニチャーモデルのコインローファーを徹底比較

エフォートレスかつ上品なルックスとコーディネートへの取り入れやすさで、幅広い層から注目を集めている『ローファー』。休日のカジュアルな装いにはもちろん、TPOを意識することでビジネスシーンでも受け入れられるようになってきており、その存在感はますます高まりを見せています。

多彩なデザインが溢れる中でも、やはり最も支持されているのはタイムレスな定番アイテム。そこで今回は、人気の3ブランドからシグニチャーモデルとも言うべきコインローファーをピックアップし、様々な面から比較しながらご紹介します。

コインローファーとは

「コインローファー」は別名「ペニーローファー」とも呼ばれ、サドルという甲部分の帯状のパーツにスリット(切り込み)を入れた、最もスタンダードなローファーです。1950年代にアメリカ東海岸の学生たちの間でこのスリットに1ペニー硬貨を挟むスタイルが流行したことが名称の由来と言われています。1ペニーは緊急用の公衆電話代だったという説も。

シグニチャーモデル 3選

Jalan Sriwijaya | Garuda

ジャランスリウァヤからはブランドの原産国であるインドネシアの国章にも用いられる霊鳥“ガルーダ”の名を冠したモデル。ベーシックで均整の取れたデザインが洗練と品格を醸し出します。

G.H.BASS | LARSON

ローファーの元祖であるジーエイチバスが誇るアイコンモデルが“ラーソン”。そのスタンダードのデザインはシンプルかつクラシカルでありながらも時代を超えて愛され続けています。

Paraboot | REIMS

パラブーツの定番のチロリアンシューズMICHAEL(ミカエル)のローファーモデルとして誕生した“ランス”。ヘビーデューティーなアメリカンテイストでありながら同時にフランスの粋を感じさせます。

デザインの特徴

<ガルーダ>

シンプルなデザインに、すっきりとしたサドルの形状や程よい長さのヴァンプ(甲とつま先を覆う部分)がもたらす絶妙なバランスが魅力。控えめながらも端正な印象は、カジュアルアイテムに留まらないエレガントな香りを漂わせます。

モカ部分は「合わせモカ」と呼ばれる、別々の甲革パーツを裏面で合わせて縫いまとめるモカ縫いで、モカの中でもスタンダードな形。ガルーダでは先端部分を接着することですっきりとコンパクトな仕上がりです。
(※製法上、着用の屈曲等によって接着面が剥がれて開きが生じる『モカ割れ』という現象が起こる場合があります。)

<ラーソン>

アメリカントラッドを体現するクラシカルな佇まいが印象的。「ビーフロール」と呼ばれるサドル(甲部分の当て革)の両端をモカ縫い部分で巻き留めたようなデザインが特徴で、そのボリューム感とステッチワークがラギッドな存在感を放ちます。

モカ部分はラーソンも同じく「合わせモカ」。G.H.BASSでは波打つような仕上がりにすることで、ひときわカジュアルな印象です。

<ランス>

「ビーフロール」を彷彿させるアメリカンな力強さとフレンチシックの上品さを併せ持つ唯一無二のデザイン。立体的なステッチと厚みのあるソールがもたらす重厚感で、他のローファーとは一線を画す雰囲気を纏っています。

ランスのモカ部分は「かぶせモカ」と言われる造りで、「合わせモカ」の上から別の革を被せて縫い付ける仕上げ。雨の侵入を防ぐ意匠で、迫力のある顔立ちになります。

アッパーの素材

<ガルーダ>

ガルーダで使用されているのはカーフレザーです。子牛の皮から作られる牛革で、きめ細やかでしなやかな質感が特徴。使い込むほどにツヤと柔軟性が増し、ケアによって美しいエイジングが得られる素材です。

<ラーソン>

ラーソンに使われているのはガラスレザー。素材原皮の表面をバフィングし、その上から合成樹脂でコーティングした革で、滑らかな光沢感が特徴です。コーティングにより傷が付きにくく撥水効果もあるため、メンテナンスがしやすい点も魅力。

<ランス>

ランスには“フランスの宝石”とも称される、ブランドオリジナルの革である「リスワクシーレザー」が使用されています。非常に多くの油分を含むため一般的な革よりも撥水性が高く、耐久性にも優れています。

ソールの仕様

<ガルーダ>

ガルーダではレザーソールが標準仕様です。ダイナイトソールやビブラムソールのモデルなどが展開されることも。

底付けは柔軟性と耐久性に優れ、主に高級靴に用いられる「ハンドソーンウェルテッド製法」。ジャランスリウァヤではフィッティングに関わる重要な工程を手作業で行い、以降のアウトソールを縫い付ける工程はマシンで仕上げる、九分仕立てを採用。アウトソールの縫い付けにウェルト(細革)という部材を介することで、ソールの交換が可能な造りになっています。

<ラーソン>

ラーソンも定番はレザーソールです。派生モデルには一体成型のラバーソールやラグソールのバリエーションなども展開。

シンプルな構造と少ないパーツで底付けを行う「マッケイ製法」を採用することによって得られる、軽量で屈曲性に優れた履き心地が特徴です。すっきりとした見た目になるため、ローファーで多く用いられます。

<ランス>

ランスはパラブーツ自社製造のオリジナルソール「MARCHEⅡ(マルシェⅡ)」を使用。100%天然ラバーを使用し、高いグリップ性と耐久性を兼ね備えています。

底付けは北欧ノルウェー発祥と言われる「ノルヴェイジャン製法」。アッパー(甲革)の端を外側に折り返し、アッパーとソールを横・縦の2方向で固定してウェルト(細革)で包む構造により、防水性に優れた堅牢な造りです。

サイズ感

スタッフ(足長約25.0cm 幅広・甲高)が3モデルを履き比べてマイサイズを選びます。

<ガルーダ>

UK7.0

「甲高の僕にUK6.5では圧迫感があり、UK7.0の方がしっくりきました。少しだけ大きい感じがするので、タンパッドが欲しいですね。ハンドソーンウェルテッド製法で履き込むにしたがって中底下のコルクが沈み込んでくることを考えると、いずれハーフインソールも必要になるかも。」

<ラーソン>

US7.5

「US7.0も試しましたが、靴の造りがタイトなので幅広・甲高の僕ではかなり窮屈に感じてサイズアップしました。程よいフィットで良い感じですが、ガラスレザーはハリがあるので馴染むまでは少し靴ずれができてしまったりするかもしれません。」

<ランス>

UK7.0

「全体的にややゆったりめな印象です。でも甲は低めの造りなので、僕にはUK6.5が履けず…結局UK7.0がピッタリでした。甲周りはしっかりホールドされますが、指先はゆったりして楽に感じます。僕と同じくらいの足長でも、甲高でない人はサイズを下げた方が良さそうです。」

まとめ

<ガルーダ>

品良く履くならガルーダ

ローファーを大人っぽく履きたいなら、3モデルの中では最もドレッシーな印象のガルーダ。キレイめなコーディネートやスラックスなどにも合わせやすく、シンプルでありながらも上品な佇まいが洗練された足元を演出します。オフィスカジュアルにもすんなり馴染み、セットアップとも相性抜群。

履き込むほどに自分の足に馴染むフィッティングと、ソール交換で長く愛用できる点もハンドソーンウェルテッド製法の魅力です。ただ、『モカ割れ』が気になる方はよく考えて。

<ラーソン>

ラーソンは革靴デビューにもマッチ

ケアのしやすさや使いやすさに魅力を感じるならラーソンがおすすめです。王道のアメリカントラッドは普段のコーディネートに取り入れやすいので、革靴上級者だけでなくこれまで革靴を履いていなかった方にも挑戦しやすいアイテム。ラーソン特有のモカ部分やビーフロールがカジュアルな印象を醸し出します。スニーカーの代わりにチョイスすることでスタイリングを大人っぽく格上げしてくれます。

ただし、ややタイトな造りなので幅広や甲高の足の方は注意が必要。

<ランス>

周りと差を付けるならランス

迫力のあるステッチや重厚なソールなど、良い意味でローファーっぽくないのがランス。それでいてフランス靴ならではの気品も感じさせる、唯一無二の佇まいです。デザインそのものが上品なので、デニムやワークパンツだけでなくジャケパンスタイルにも好相性。存在感のある足元が一味違うコーディネートを演出します。独特の風合いに優れた防水性と耐久性を持つリスワクシーレザーは、パラブーツならではの魅力です。

注意したいのはサイズ合わせ。大きめな造りながらも甲はやや低く設定されているので、人によってはフィッティングが難しい場合も。

いずれも名品として選ばれ続けるローファーばかり。ブランドを代表するアイコニックなモデルを、コーディネートやシチュエーションに合わせてご自身のスタイルに落とし込んでみてはいかがでしょうか。

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